「顎(あご)に痛みがある」「口を開けづらい」「口を開けるときに音がなる」などの症状がある方は、顎関節症が疑われます。
日常生活に大きな支障をきたさないため、そのまま放置してしまう方も多くいらっしゃいますが、進行性の顎関節症の場合は、放っておくと顎内部で炎症が起こり、関節が変形してしまうことがあります。
顎関節症の原因はさまざまで、発症には生体の問題や社会心理学的問題、生活習慣、悪習癖が積み重なることで発症するといわれています。
なかでも、生活習慣や悪習癖によって慢性的に顎関節等に慢性的に過剰な負荷がかかることが大きな原因の一つであることが分かっています。
そのため、これらを是正することが原因療法の一つとなります。
顎関節症の治療のほとんどは、保険診療内にて対応させていただけます。
まずは診断のご相談だけでも構いませんので、お気軽にご来院ください。
顎関節症の原因
顎関節症の発症には、さまざまな原因があります。
「歯のかみ合わせ」が原因とも言われますが、それだけではなく、関節や筋にかかる負担やさまざまな要因が重なり発症します。
とくに一般的に挙げられる顎関節症が発症する要因は以下の通りです。
- 歯ぎしり
- 上下の歯がいつも接触している(上下歯列接触癖)
- 歯を食いしばる癖がある
- 唇やほほの内側を噛む癖がある
- 頬杖、うつぶせ寝、猫背など
- 顔面打撲や事故による外傷
- 入れ歯や歯の被せ物が身体に合っていない
- 口を大きく開けたり、硬いものを噛む
- 左右どちらか一方でものを噛む癖がある
これらはあくまで一例になりますが、複数の要因が多数集まることにより症状が出ることが多いため、通常のレントゲンはもちろん、必要に応じて顎のレントゲン、CT、MRI(外部施設へ依頼)撮影を行い、原因を特定することが大切です。
顎関節症の治療について
当院の顎関節治療は、顎関節症になってしまった原因を特定するため、まずはしっかりと診査・診断を行います。
通常のレントゲンに加え、必要に応じて顎のレントゲン、顎のCTや、MRI(外部施設へ依頼)撮影をおこない、原因を特定します。
特にMRIでは、通常のレントゲンでは観察することのできない軟組織をみることができます。
例えば、関節円板(顎関節にある円盤状のクッション)の場合、位置がズレていたり、穴が空いていないかを確認します。
顎関節の状態が急性期にあるのか、進行中のものなのか、それとも慢性化しており、落ち着いているのかを診断し、治療方針を策定します。
軽度であれば認知行動療法やマッサージを行います。
認知行動療法とは、顎関節に対して負担がかかっていると考えられる日常の行動(例:食いしばっている等)を見直し、原因と考えられる行動をとらないようにしていく治療方法です。
マッサージは顎関節に負担をかけている筋肉の緊張をほぐし、顎関節に対する負担を軽減させる方法です。
認知行動療法は起きているときには有効な治療法ですが、寝ているときの食いしばりや歯ぎしり等には中々アプローチしづらいのが実情です。
そこで、寝ているときなどに食いしばりや歯ぎしり等が出ている人にはスプリント(マウスピース)を用いた治療法を提案させていただくことがあります。
夜寝るときにスプリント(マウスピース)を使用していただくことで食いしばりや歯ぎしりによって顎関節へ過剰な負荷がかかることを防ぐことができます。
そのほかには、スプリント(マウスピース)を用いて、歯の上下のかみ合わせが均等になるよう調整させていただき、顎の関節頭を正しい位置に戻し、筋肉の緊張をほぐすという方法もあります。
さらに微調整が必要な場合には、入れ歯やクラウンと言うかぶせ物を入れることで、かみ合わせの関係を直します。
状態によって、顎関節をほぐすマッサージをさせていただくなど、適切な治療法をご提案いたしますので、まずはお気軽にご来院ください。