顎が痛い、口を開けづらい、開けるときに音が鳴るなどの症状のある方は、顎関節症の治療対象です。
顎関節に何らかの症状を抱えている方は、7~8割とも言われております。
開けづらい、大きく開けると痛い、開口時に音が鳴る、など症状は様々ですが、日常生活に大きな支障をきたさないと考えて、そのまま放置してしまう方も多くいます。
進行性の顎関節症の場合は、放っておくと内部で炎症が起こり、関節の吸収を引き起こしてしまうこともあります。
つまり、顎関節が変形してしまうということです。
この事を「変形性顎関節症」と言います。
一時的なものであれば、放っておいても、症状が落ち着くこともありますが、そうでない場合(原因が取り除かれていない場合)には炎症は悪化していきます。
ひどい場合には、顎の長さが変わってしまうことで噛み合わせまでおかしくなってしまうことがあります。
こうなってしまうと、治療が非常に困難になってしまうため、少しでも違和感を覚えたら、早い段階での受診をお勧めします。
当院の顎関節治療は、まずはしっかりと診査・診断を行うところから始まります。
通常のレントゲンに加え、必要に応じて顎のレントゲン、顎のCTや、MRI(外部施設へ依頼)撮影をおこない、原因を特定することで、効果的な治療を進めていきます。
特にMRIでは、通常のレントゲンでは観察することのできない軟組織をみることができます。
これは顎関節症の治療において非常に重要です。
例えば、関節円板(顎関節にある円盤状のクッション)というものがあるのですが、この関節円板の位置がズレていたり、穴が空いていたりすることがあります。
これはMRIと触診を組み合わせることによって、診断の確実性が非常に高くなります。
また、顎関節内の炎症の度合いもMRIによって詳しくわかってきます。
炎症所見は、関節に水が溜まったような所見であったり、炎症が強く起こっている場合では、下顎頭(顎の骨の先端)の表層が粗造になっていたり、骨髄にまで進行してしまっていることもあります。
その顎関節の状態が急性期にあって、進行中のものなのか、それとも慢性化しており、落ち着いているのかを判断するための重要な検査でもあります。
治療方法は、軽度であれば「認知行動療法」と言われる方法から始めることが多いです。
顎関節に対して負担がかかっていると考えられる日頃の行動を見直し、意識を変えることで、原因と考えられる行動を行わないようにする方法です。
他にも、マウスピースを用いた方法や、顎関節をほぐすようなマッサージなど、状態に合わせて治療法をご提案しております。
顎関節症の治療のほとんどは、保険診療内で対応することが可能です。
詳しくは当院の医師またはスタッフまでご相談ください。